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第1回〜第5回 応募作品分析 これまでに応募された作品から、ご応募数や多く詠まれたキーワードなどをご紹介します。
川柳作家 やすみりえさん
透析のかゆみについて、患者さんや支援者の方々、医療スタッフの方々が日々感じている想いや悩みを表現する場として、2011年にスタートした「透析のかゆみ川柳コンテスト」。ここでは第1回から第4回までの応募作品を振り返り、各回で詠まれたキーワードの移り変わりやかゆみ対策への意識の変化などについてまとめました。 第1回川柳コンテスト結果発表 第2回川柳コンテスト結果発表 第3回川柳コンテスト結果発表 第4回川柳コンテスト結果発表 第5回川柳コンテスト結果発表

第1回〜第5回のご応募数と内訳

(1) 部門別のご応募数(投稿者数/作品数)


第1回(2011年開催)
透析患者部門 1222 3476
支援者部門 346 904
医療従事者部門 623 1760
部門不明 736 2071

第2回(2012年開催)
透析患者部門 1157 3252
支援者部門 230 601
医療従事者部門 433 1195
部門不明 32 93

第3回(2013年開催)
透析患者部門 881 2468
支援者部門 421 1030
医療従事者部門 398 995
部門不明 40 89

第4回(2014年開催)
透析患者部門 962 2689
支援者部門 453 1136
医療従事者部門 385 1032
部門不明 28 69

第5回(2015年開催)
透析患者部門 1309 3640
支援者部門 546 1364
医療従事者部門 442 1131
部門不明 57 123

部門別第1〜5回合計総人数・総作品数 5回を通じて、透析患者さんご自身からのご応募が最も多い結果となりましたが、回を追うごとに患者さんのご家族やサポートされる周囲の方々(支援者)からのご応募も増えました。

(2) 男女別のご応募数

5回を通じて、男性からのご応募が多数を占めましたが、医療従事者部門では女性からのご応募が多くありました。

(3) 年代別のご応募数

6歳から98歳まで、幅広い年代の方からご応募いただきました。5回を通して最もご応募が多かったのは70歳以上80歳未満の方でした。
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多く詠まれたキーワード


透析患者部門
●掻く・掻き傷 (掻くことへの悩み、傷のない肌への憧れ)
●透析・生きる (生きていく上で透析、かゆみは切り離せない)
●夜・眠り・夢 (不眠のつらさ、かゆみのない状態を夢見る気持ち)
支援者部門
●手・背中 (代わりに掻く、薬を塗る行為を通したコミュニケーション)
●父・母・子・夫婦 (かゆみケアを通したさまざまな立場の家族愛)
●止める・消える・消しゴム (かゆみ改善を願う気持ち)
医療従事者部門
●塗る・薬・軟膏 (かゆみ治療の実践、効果への期待)
●看護・ケア・医療・対策 (かゆみ改善への努力、取り組み)
●心・笑顔 (患者さんの心情への共感、かゆみが改善した時の喜び)
それぞれの立場からの想いが反映されたキーワードがあがりました。かゆみのつらさ、ケアの大変さを訴える句だけでなく、感謝や共感の気持ち、治療がうまくいった時の喜びなどを詠んだ句も多く、お互いを思いやりながら、日々かゆみと向き合われているお姿がうかがえました。
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キーワードの移り変わり

  • 透析患者部門では、掻く困難さを表す「柱の角・孫の手」や、暖まるとかゆみが増す「布団」など、かゆみのつらさを訴える句が多くみられました。
    支援者部門では「代われないもどかしさ」、医療従事者部門では「無力感・歯がゆさ」など、それぞれの立場から患者さんを思う心やかゆみ改善への願いを詠んだ句が多くみられました。

  • 前年の東日本大震災を受け、「愛・絆」をテーマにした句が全部門を通じて多くみられました。「避難」など被災地に想いを馳せた句も多く、また被災地からもたくさんの句が寄せられました。
    また、透析患者部門や医療従事者部門では、前年と比べて「スキンケア」などかゆみケアに関する句が多くみられるようになりました。

  • 全部門を通じて「掻かない努力」「乾燥対策」など、かゆみケアへの取り組みを詠んだ句が目立つようになりました。
    透析患者部門や医療従事者部門では「掻き傷」「肌」の状態などのかゆみ評価に関する句もみられました。
    また、山中伸弥氏がノーベル生理学・医学賞を受賞したことを受け、「iPS細胞」を織り込んだ句も多くみられました。

  • 2020年夏季オリンピックの東京開催決定やソチオリンピックでの日本勢の活躍を受け、「金メダル」「おもてなし」など、五輪関連のキーワードが多くみられました。
    このほか、「倍返し」「今でしょ!」など流行語を取り入れた句も多く、全部門を通じて、ユーモアをまじえながらかゆみと前向きに向き合う句が目立ちました。

  • 透析患者部門では、かゆみのつらさを訴える句が依然として多い一方、「孫」「川柳」などを通して気持ちを明るくし、前向きに生きようという句が増えました。支援者部門では「食事」「入浴」「肌着」などかゆみ対策への気遣いを詠んだ句、医療従事者では前年までと引き続き「保湿」「スキンケア」の大切さを訴える句が多くみられました。全部門を通じて、「ダメよ〜ダメダメ」「妖怪のせい」など流行語を取り入れた句、「スマホ」「ロボット」など時代を反映した句も目立ちました。 映画「アナと雪の女王」の主題歌から、「ありのまま」というキーワードを詠み込んだ句も。特に支援者、医療従事者からは「かゆみを我慢せず、ありのまま伝えてほしい」という気持ちを込めた句が複数寄せられました。

第1回は全体として、かゆみのつらさ、ケアの大変さをストレートに訴えた句が多い印象でしたが、回を追うにつれて前向きな姿勢をうたった句が増えていきました。「五輪」や「iPS細胞」、「ありのまま」など、その年に話題となった言葉をうまく取り入れた句も多く、大変な状況をユーモアをまじえながら明るく表現していこうとの想いがうかがえました。
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川柳から読み解く透析のかゆみの変化

「スキンケア」や「掻かない努力」など、かゆみケアへの理解が浸透

透析患者部門では、回を追うごとに「保湿」や「冬の乾燥対策」などスキンケアへの取り組みを詠んだ句が目立つようになりました。また、「爪を切る」「冷やす」など日常生活でのかゆみ対策について詠んだ句も増え、適切なかゆみケアへの理解が徐々に浸透しつつあることがうかがえます。支援者部門、医療従事者部門でも、当初は「もどかしさ」「悔しさ」などをうたう句が目立ちましたが、年々、かゆみケアの実践治療への意欲を詠んだ句が増えました。

川柳を通じて、かゆみの悩みやつらさを共有化

第5回では「他の患者さんやご家族とかゆみ話で盛り上がった」「かゆいのは自分だけではない」など、かゆみの悩み・つらさの共有や、かゆみケアに関する情報交換などを詠んだ句も目立ちました。患者さんやご家族、医療従事者の方々の間で、透析のかゆみについての関心が高まり、ケア・治療への取り組みが活発になってきている様子がうかがえました。

健やかな睡眠や掻き傷のない肌など、より良い治療への期待が高まる

5回のコンテストを通じて多く詠まれていたのが不眠のつらさです。かゆみによる睡眠障害が、依然として多くの患者さんを悩ませていることがうかがえました。掻き傷のない肌への憧れより良い治療への期待を詠んだ句も多く、患者さんの願いが伝わってきます。医療従事者部門では、より良い透析治療への意気込みを詠んだ句も常に多くみられました。

お互いへの感謝・思いやりを川柳で表現

5回を通じて、すべての部門で多くみられたのが、お互いへの感謝・思いやりを詠んだ句でした。患者さんから支援者や医療スタッフへ向けた感謝の気持ちを詠んだ句、支援者や医療スタッフが患者さんのつらさを思いやり、いたわる句が一貫して多く寄せられました。

5回のご応募作品を通して、おひとりおひとりがさまざまな想いを抱えながら、透析のかゆみと向き合われている様子が強く伝わってきました。川柳をつくる過程で、つらい気持ちや悩みが少しでも軽くなり、前向きな気持ちになっていただけたなら、とても嬉しく思います。これからも、ご自身のお気持ちを見つめ直すきっかけとして、またまわりの方々と想いを共有する手段として、ぜひ川柳を楽しんでいただきたいと願っております。
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